観葉植物は思った以上の「スグレモノ」
前回のニオイの対策のお話の中でも軽く触れましたが、今回はお店の緑化についてです。
カフェ・喫茶店の店内には、観葉植物を置いていることが珍しくありません。
ひとつには、雰囲気を出すための装飾ですし、前回触れたように店内の消臭も期待できます。
ですが、それだけではありません。観葉植物は、さまざまな効果を持つ「スグレモノ」なのです。
観葉植物が持つ「空気清浄効果」
たとえば、シックハウス症候群の防止です。
建築用の塗料や防腐剤に含まれる化学物質が、場合によっては、めまいや湿疹など、人体に悪影響をおよぼすことは現在ではよく知られています。
植物には、この原因物質を吸収する力があることが最近わかってきました。
そして、一部の観葉植物は、この吸収力が他の植物よりもひときわ高いようです。
もちろん、シックハウス症候群については、建物を建てるときや改装工事をするときに十分な対策を講じることがいちばん大切ですが、植物にはそれだけの力があるということです。
化学物質以外にも、空気中のカビやバクテリアを抑え込む力もあります。つまりカビが繁殖するのをある程度防いでくれるというわけです。
二酸化炭素を減らして酸素を出してくれますし、マイナスイオン効果も期待できますから、一種の「空気清浄器」のようなものですね。
「緑」が作り出す癒しの空間
さらに観葉植物は、「電気代のかからない空気清浄器」だけではありません。
植物ですから、気分がリラックスしてきますし、目の疲れも癒してくれます。
カフェ・喫茶店は、コーヒーとともにくつろぐ場所ですから、よりリラックスさせてくれる植物の存在はありがたいものです。
最近は、お店でパソコンを使うお客さまも少なくないので、眼精疲労に効果のある植物の力は、お客さまへのちょっとしたサービスになりそうです。
そんな難しいことを抜きにしても、空間の中に緑があるのは、それだけでちょっとした彩を添えてくれるものです。
特にガーデニング的なものを売りにしているわけではないお店でも、そこに植物がひとつあるかないかで雰囲気はぐっと変わります。
「世話のしやすさ」と「見ばえ」との兼ね合いを
とはいえ観葉植物も生き物ですから、ちゃんと手入れをすることが大切です。
葉っぱの上にホコリがたまっていたり、植木鉢のあたりがヨゴレていたりカビが生えていたりしては、不潔な印象だけでなく、「かわいそう」という印象すらお客さまに与えてしまいます。
観葉植物が「観葉」なのは、他の草木に比べて手入れが楽で枯れにくいからですが、放っておけばいいというものでもありませんし、中には思ったよりデリケートな性質を持つものもあります。
購入するときには、専門業者にしっかり相談しましょう。
ただ、「世話のしやすさ」だけで選んでしまうのも考えものです。
冒頭にも述べたように、植物はお店の雰囲気作りをしてくれる装飾の役割がありますから、ご自分のお店に合っているかどうかはとても重要です。
手間がかからないというだけの理由でなんとなく選んだ結果、お店の中で浮いた存在になってしまえば、お客さまにもおかしな印象を与えてしまいかねません。
邪魔モノになってしまえば、世話もおざなりになってしまい……、という悪循環が目に浮かびます。
お店にちゃんとマッチし、かつ通常業務の範囲内で世話のできるものを選びましょう。
また、お知り合いがカフェや飲食店を開業するときの贈り物として、観葉植物は重宝されていますが、この場合も当人にどのタイプの植物がいいか、よく確認することをおすすめします。
生け花でほのかな香りと彩りの変化を
観葉植物以外に、花を活けるのもいいでしょう。
カウンターやトイレなどに色鮮やかな花を飾るのは、目にも楽しいですし、芳香も漂わせてくれます。
ただし、あまり日持ちしませんので注意しましょう。花瓶の水がすっかり濁っているのに放ったらかしにしているだとか、気づいたときには花も葉っぱも朽ちていたとかではマイナスイオンならぬマイナス効果しかありません。
切り花ではなく、花をつける植木の場合も、花が枯れたままにならないよう、しっかりとした手入れに心がけたいものです。
花の香りは気分がはなやぎますが、あまりキツい香りのものは逆効果になってしまいますから、どこに飾るのかに合わせて選びましょう。
特に切り花の場合は、観葉植物と違って飾れる期間に限りがありますが、逆に小まめな入れ替えが可能なわけですから、常連のお客さまにはちょっとした変化を楽しんでもらえそうです。
最近では自店で世話をしなくてもレンタルやリースができるシステムもあるようですから、植物をうまく取り入れ、みなさまのカフェ・喫茶店を、よりくつろげる空間へと演出していきましょう。
カフェ・喫茶店開業者や経営者のみなさま、私たち大阪サントス珈琲は、多くの開業をお手伝いしてきた実績があります。ぜひお気軽にご相談ください。
